肥満症治療

肥満は糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病(メタボリックシンドローム)の原因です。 肥満治療は食事療法・運動療法や薬物治療内でしたが、近年 低侵襲手術(腹腔鏡手術)の発展に伴い手術が行われるようになってきました。 海外では肥満に対する手術(減量手術)が広く行われており、その数年間50万件にも登ります。 効果的でかつ安全で、内科的治療に比べ持続的な減量結果が得られることが既に数多く報告され,標準治療となってきています。 日本では2014年から健康保険の適応となり少しずつ広がってきている治療法です。 当院では2018年4月より保険診療としてスリーブ状胃切除術を開始しました。

当院では内科医師・管理栄養士・心理療法士・麻酔科医師など総合病院ならではの、外科以外の科と幅広く連携し、安全で効果的な肥満症治療に取り組んでいます。 肥満症手術に興味のある方に限らず、肥満症でお悩みの方それぞれに適した治療法(内科的治療や栄養指導、手術治療など)を提供できるように心がけております。

FAQ

肥満手術は希望すれば誰でも受けられるのでしょうか?

BMI (Body mass index) 35 kg/㎡以上で、糖尿病、高血圧症、または高脂肪血症のいずれかの治療をしている患者様のうち、内科治療により十分な効果が得られない場合が減量手術適応となります。

肥満手術にはどんな種類がありますか?

現在、主に世界的に実施されている術式には①腹腔鏡下スリーブ(袖状)切除術、②腹腔鏡下胃バイパス術、③腹腔鏡下バンディング術、があります。日本では現在のところ、①のみが健康保険で実施できます。

費用と入院期間について教えてください。

おおまかではありますが、国民健康保険の3割負担で約40万前後となります。別途部屋差額代と食事代(1食390円)がかかります。 加入している保険会社と相談するのをお勧めいたします。肥満が原因による糖尿病・高血圧・脂質異常症に対する永続的な薬物治療代を考慮すると高くはないと考えています。

肥満手術で体重はどれくらい減りますか?

一般的には減量手術の成功は余分な体重(術前体重から理想体重を引いたもの)の50%以上の減量が得られ、少なくとも5年間はその体重が維持できることと定義されています。程度の差はありますが、最初の6ヵ月で余分な体重の30%から50%の急速な減量がみられ、12か月で77%の減量が認められるとされています。

肥満手術を受けて危険なことが起こるリスクはありますか?

ほかの腹部手術と同様に減量手術にもリスクは伴います。 特に肥満の方に手術をおこなうことは、簡単な腹部手術(虫垂切除術、胆嚢摘出術)であっても大きなリスクを伴います。また肥満の患者さんは内在している病気が多くあります。減量手術は決して簡単な手術ではありません。リスクを伴うことをしっかりご理解頂いた後に手術を受けて頂くべきだと考えています。

肥満手術を受けたらあとの通院は必要でしょうか?

術後6ヵ月までは毎月1回の胃食道外科外来受診、以後1年,2年,3年,4年,5年目までは半年に1回の胃食道外科外来受診を予定しています。また、状況に応じて定期的な内科や栄養指導の受診も必要となります。

肥満手術を行えば食事は好きにしても痩せるようになりますか?

術後の食生活は大きく変わります。詳しい話は管理栄養士との相談が必要となります。術直後の食事には細かい決まりがありますので、栄養士の指示をよく聞いて守って下さい。手術後に好きなものを好きなだけ食べても太ることがないと思っていたら大きな間違いです。

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